なぜあの人にムカつくのか? 『余計な一言』齋藤孝[著]
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181206-00552890-shincho-ent

齋藤教授は下手な毒舌は危険だ、と指摘する。

「『毒舌』というのは、きちんと常識を踏まえ、あるいは場の空気が読めて、
トークも上手であり、笑いを起こさせるプロの芸人だからこそつかえる技術です」

「痛い思いを、トップの芸人であるたけしさんや松本さんや有吉さんは、みんな
たくさん経験してきたからこそ、現在があります。その痛みから学び、上達して
きているわけで、毒舌は完全にプロの技術なのです」

さらに、齋藤教授が強調するのは「本音は必ずしも必要ではない」というポイ
ントだ。

  「おそらくこういう人は、『本当に思っていることを黙っているのは、何だか
不誠実な気がする。この本音を隠しもつのはいけないのではないか』と思って、
溜めこんでいたものを吐き出すように、本音を漏らしてしまうのでしょう。」

 「本音を言うことにはさしたる意味がない、という認識も必要です。本音を
言わないと気分が悪い、不誠実な気がすると考える人は、

その本音イコール自分

であると思ってしまっています。

 しかし、その『本音』だと思っていることだって、永久不変とは限りません。
いま『本音』だと思っているものも、新しい情報が一つ加わるだけで、ガラッと
変わってしまうかもしれません。(略)

 ほとんどのことは『本音』ではなくて、あくまでもその人の『現在の認識』
もしくは『一つの認識』に過ぎないと思ったほうがよい。それは刻々変化する
ものなのです」