長年ひきこもってきた杉原悠生被告(33歳)が、父親(当時69歳)を刺殺して、12月19日、名古屋地裁で開かれた裁判員裁判で、懲役9年(未決拘留200日参入)の実刑判決(求刑12年)を受けた。

被告は、母親亡き後、父と2人暮らしで、自立に向けて就労支援の作業所などに通い始めていた。親子の間に、いったい何があったのか。

事件直前まで書き綴っていた手記や、3回にわたる拘置所での面会、裁判の傍聴を通じて見えてきたのは、ひきこもる30代被告が犯行に至る背景にあった「親子共倒れ」へと向かう「家族のリアル」だ。