トランプ大統領の行動に世界が振り回されているが、
彼の自伝を見ると、行動原理はなんとなくわかる。

彼は取引方法の原則を述べているが、その論旨は次の4点。
1・ふっかけるだけふっかけろ
2・リスクを最大限に考え、ギャンブルはしない
3・無能な部下は切る
4・マスコミはセンセーショナルな話題に飢えている

また、新聞の記事を見ていると、トランプは直近の情報や助言を受け入れる傾向にあるらしい。
これは鳩山由紀夫が用いた手法で
彼は目的関数の設定間違えと助言する部下の無能さから失脚したが、
トランプは、目的関数を「アメリカの利益or選挙」に絞っているようだし、無能な部下は次々と排除している。

よってトランプの決断にランダム性(直近の助言を採用すること)
が生じていて、それに世界が振り回されている。
というより、ランダム性がトランプを「何をするか読めない男」として、交渉する上の優位性を形成していると言える。

最近、日本の評論家が「安倍は置いてけぼりにされた」などと批判しているが、
そういう人に限って去年は「文大統領はバカ」「アメリカと北朝鮮が交渉することはありえない」などといっていたと思う。
人を批判する前に自分の無定見さを反省すべきだ。

また「安倍がおいてけぼりにされた」というのは決定的に間違っている。
なぜなら、北朝鮮が国際社会に復帰する際、カネを出すのは日本しかいない。
日本は、カネという絶対的な交渉カードを持っているのだから、間違いなく主導権を握るときがくるし、
トランプがそれを無視することはありえない。