歯を磨いてパソコンを落とそうとしたら柳川の鰻の話か。
ちょっと補足しておく。

鍋くんが言う通り、柳川の鰻は甘くて濃い味つけになっている。
それには理由がある。
ひとつは、むかし鰻は柳川のクリーク(掘割)で捕まえたものだった。
生活排水も流れ込むからどうしても泥臭いんだ。
それで、濃い味つけになった。

もうひとつ、こっちのほうが重要だが、
もともと九州の醤油は甘口だ。
それと同時に柳川の食文化は、地理的にも長崎文化の影響を受けている。
長崎の南蛮文化、とくにポルトガル系の甘みが濃い料理の傾向を受け継いでいるんだ。
だから、当時もよそから来たひとたちは、柳川で食べる甘い鰻は、
とてもエキゾチックに感じたものなんだよ。
卓袱料理に出てくる豚の角煮に似たようなもんでね。
ああ、南に来たんだなあ、って感じたんだと思うよ。

だからあれでいいんだよ、鍋くん。