静閑寂雅
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にわかに天井に白いあわが立って、青光りのまるでぎらぎらする鉄砲だまのようなものが、
いきなり飛びこんできました。 兄さんのかには、はっきりとその青いものの先が、
コンパスのように黒くとがっているのも見ました。 と思ううちに、魚の白い腹がぎらっと光って一ぺんひるがえり、
上の方へ上ったようでしたが、それっきりもう青いものも魚の形も見えず、
光の黄金のあみはゆらゆらゆれ、あわはつぶつぶ流れました。 二ひきはまるで声も出ず、居すくまってしまいました。 「青くてね、光るんだよ。
はじが、こんなに黒くとがってるの。
それが来たら、お魚が上へ上っていったよ。」 「ふうん。
しかし、そいつは鳥だよ。
かわせみというんだ。
だいじょうぶだ、安心しろ。
おれたちはかまわないんだから。」 「いい、いい、だいじょうぶだ。
心配するな。
そら、かばの花(※1)が流れてきた。
ごらん、きれいだろう。」
(※1)
「かば」
山桜の一種。 あわといっしょに、白いかばの花びらが、天井をたくさんすべってきました。 光のあみはゆらゆら、のびたり縮んだり、花びらのかげは静かに砂をすべりました。 かにの子供らはもうよほど大きくなり、底の景色も夏から秋の間にすっかり変わりました。 白いやわらかな丸石も転がってき、
小さなきりの形の水晶のつぶや金運母(も)のかけらも、
流れてきて止まりました。 その冷たい水の底まで、ラムネのびんの月光がいっぱいにすき通り、
天井では、波が青白い火を燃やしたり消したりしているよう。 辺りはしんとして、ただ、いかにも遠くからというように、
その波の音がひびいてくるだけです。 かにの子供らは、あんまり月が明るく水がきれいなので、
ねむらないで外に出て、しばらくだまってあわをはいて
天井の方を見ていました。 「兄さん、わざと大きくはいてるんだい。
ぼくだって、わざとならもっと大きくはけるよ。」 「はいてごらん。
おや、たったそれきりだろう。
そら、ね、大きいだろう。」 「近くだから、自分のが大きく見えるんだよ。
そんならいっしょにはいてみよう。
いいかい、そら。」 「もうねろねろ。
おそいぞ。
あしたイサドへ連れていかんぞ。」 黒い丸い大きなものが、天井から落ちてずうっとしずんで、
また上へ上っていきました。 お父さんのかには、遠眼鏡(とおめがね)のような両方の目をあらん限りのぼして、
よくよく見てから言いました。 「そうじゃない。
あれはやまなしだ。
流れていくぞ。
ついていってみよう。
ああ、いいにおいだな。」 なるほど、そこらの月明かりの水の中は、やまなしのいいにおいでいっぱいでした。 三びきは、ぼかぼか流れていくやまなしの後を追いました。 その横歩きと、底の黒い三つのかげ法師が、
合わせて六つ、おどるようにして、
やまなしの円いかげを追いました。 間もなく、水はサラサラ鳴り、天井の波はいよいよ青いほのおを上げ、
やまなしは横になって木の枝に引っかかって止まり、
その上には、月光のにじがもかもか集まりました。 「どうだ、やっぱりやまなしだよ。
よく熟している。
いいにおいだろう。」 「待て待て。
もう二日ばかり待つとね、こいつは下へしずんでくる。
それから、ひとりでにおいしいお酒ができるから。
さあ、もう帰ってねよう。
おいで。」 波は、いよいよ青白いほのおをゆらゆらと上げました。 _,,,
_/::o・ァ
∈ミ;;;ノ,ノ
γ´⌒`ヽ
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( ´・ω・),,,,(o・e・),(。・e・),,
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し' ̄(_)) ̄ ̄ ̄(_)) ̄(_)) 暑い夏の日に、熱い紅茶を飲みながら、厚い本を読んだ。 なんてゆっくりなんだろう。
なんてのんびりなんだろう。 庭のきんもくせいがさいた。
小さな花をたくさん付けて。
オレンジ色の花をたくさん付けて。
いいかおりのする花をたくさん付けて。 朝起きたら、ひどい雨。
雨に打たれたきんもくせい。
たくさん散った小さな花。
あせてしまったオレンジ色。
もう分からない、いいかおり。 好きな物事には熱心に取り組もうとするし、
熱心に取り組めば意欲も増加し、
頭も体もよく働くので、
自然と上手になるという意味です。 このように、生きていくうえでのちえや教えを、
短い言葉やおもしろい言い回しで表したものが
「ことわざ」です。 ことわざは、短い中にもリズムがあり、
たとえやユーモアが盛りこまれたものが多く、
覚えやすく親しみやすい言葉です。 それで、昔から言い伝えられ、
現在でも、わたしたちの生活に根付いているのでしょう。 ただし、時代や社会の変化につれて、
合わなくなったり、通じにくくなったりしたものもあります。 意味を考えて、安易な使い方をしないようにしましょう。 「天高く、馬肥ゆる秋」
意味:
秋は気候もよく、食欲の増す季節であるということ。
由来:
秋はさわやかで実り多く、馬もよく草を食べることから。 「からすの行水」
意味:
おふろで体をよく洗わず、入浴時間も短いこと。
由来:
からすは、あわただしく水浴びをすることから。 探していた店の看板が目の前にあった。
「灯台もと暗し」だ。 食べてばかりいたら、
「腹八分目に医者いらず」と忠告された。 こんな単純なミスをするなんて、
「さるも木から落ちる」だね。 「急がば回れ」ということで、
探検隊は、遠回りだが、
より安全な道を行くことにした。 転んだうえに、お金まで落とすなんて、
「泣きっつらにはち」だ。 冬、仕事をしていると、知らないうちに手先が冷たくなっていることがある。 時にはまた、知らないうちに足先がこごえていることもある。 身にこたえる冷えだけれども、
心にまで冷えを覚えているわけではない。 しかし、「悲しみ」というものは、
あとさきもなく、いつも真っすぐ心の真ん中に強くしみこむ。 レス数が950を超えています。1000を超えると書き込みができなくなります。