= 開発背景 =

リ・ガズィはアナハイム・エレクトロニクス社がUC0091年に開発した試作モビルスーツである。
同機の名称は『リファイン・ガンダム・ゼータ』の略称であり、UC0086年のグリプス戦争の際、
エゥーゴの最新鋭機として活躍したMSZ-006 Zガンダムの量産化のために試作されたものだ。

Zガンダムはウェイブ・ライダーへの変形を可能としたトランスフォームド・モビルスーツであったが、
複雑な変形機構は量産を妨げる障害になった。
そこで、モビルスーツ本体の機構をできるだけ省略し、
変形を主体としたモジュールを追加装備するバック・ウェポン・システムを採用し、
本体の量産性を向上させたのである。

これは、RX-178 ガンダムMk-Uに試験的に装備したGディフェンサーのコンセプトに似ている。
そして、最新の技術が投入され、スペック上の性能ではZガンダムに匹敵するまでにいたった。
特にスペースファイター形態では、運動性、長距離巡航能力、火力など
量産機とは思えない性能を発揮する。

だが、リ・ガズィのロールアウトまでに時流が変化した。
当時、地球圏は各コロニーに潜むレジスタンス『エグム』の小規模なゲリラ活動は続いていたものの、
おおむね平穏が保たれており、連邦軍は次期主力モビルスーツの選定にあたり、
高性能だが製造コストが高価なリ・ガズィを落としたのである。

こうして、リ・ガズィの量産計画は中断され、試作機の1機のみが
地球連邦軍所属ロンド・ベル隊のラー・カイラムに送られ、実戦配備についた。
そして、アムロ・レイ大尉の乗機として活躍していたが、
ネオ・ジオンが強力なニュータイプ専用機を投入してきたため、
サイコミュを装備していないリ・ガズィは対抗できなかった。