参考

走為上(そういじょう)は兵法三十六計の最後の計。「走(に)ぐるを上(じょう)と為(な)す」、逃げるのが最善の策である、という意味。南斉書の王敬則伝「敬則曰、『檀公三十六策、走是上計』」と「三十六計逃げるに如かず」の語源である。


概要
(勝ち目が全くないなら)全軍をあげて敵を避ける。勝利が不可能と認識したときに退却して損害を回避できるのは、指揮官が冷静な判断力を失わずにすんでいるからこそ可能なことである。

敵と戦闘できないような状況においては、降伏してしまうか、停戦(和)を請うか、逃走するかである。降伏は(以後は敵の意のままにされてしまうので)完全な敗北である。停戦は(交換条件を与えねばならないから)半分敗北したことになる。しかし逃走して勢力を保ったならばそれは敗北ではない(形勢逆転が可能なのだ)。孫子の兵法にも「勝算が無い時は戦ってはならない」とある。

この檀道済は逃げを多用した。敵が優勢であると見るや素早く引き軍勢を温存し、敵側の北魏に脅威を与え続けたのである。このため「逃げるに如かず」と言われるようになった。