三日月「まあそれは別にいいんだけど」
ガロード「いや切り替え早っ! そして軽っ!」
アルレット「あのねえ、珍しく私たちがいい感じのシリアスモード入ってんだから、もうちょっと浸らせなさいよ」
三日月「?? なんかごめん」
マイ「いや、いいんだよ三日月」
キラ「そうそう。三日月に空気を読むことを期待する方が間違いだよね」
アルレット「ま、そりゃそうなんだけどね。……で、なに三日月? 私に何か聞きたいの?」
三日月「うん。さっき、出来たって言ってたから。アムロ兄さんとシャアさんを元にも戻す装置」
マイ「あ、遂に完成したんですか?」
アルレット「うん。リタちゃんの協力もあって、ついさっきね。これよ、ジャジャジャジャーン!」
ガロード「効果音古っ!」
アルレット「これぞ! 押すとアムロが元に戻るスイッチ。名付けて
      『4人のアムロが一つになって 正義の姿 白い悪魔 その名も我らのアムロ・レイ(29歳)』スイッチよ!」
ガロード「長っ!」
キラ「そしてまた、アムロ兄さん本人が聞いたら発狂しそうな名前だね……」
アルレット「ちなみにこっちが押すと大佐が元にスイッチ、その名も『ふるえるな 瞳こらせよ 復活のシャ』
ガロード「いや、もういいから!」
三日月「それで、なんでまだ押してないの?」
アセム「そうだよ、さっさと押せばいいじゃない。押せばアムロ兄さんも元に戻るんでしょ?」
アルレット「それが無理なのよ。これ、分裂したアムロたちが近くにいないと効果を発揮しないから」
アセム「つまり、分裂した兄さんたちを全員捕まえる必要があるってことか」
ガロード「ええと、まだ捕まえていないアムロ兄っていうと……」
マイ「29歳のアムロ兄さんですね。僕たちのよく知る」
アルレット「そうそう。わかりやすくいうとアムロ(CCA)とシャア大佐(CCA)ね」
アセム「俺たちも町中探し回ったけど、あの二人は全然見かけなかったな」
マイ「町の人たちからの情報も、あの二人に限っては騒動のごく序盤を除いてまったくありませんでした」
キラ「まさか、もうデビルガンダムにやられちゃったとか?」
三日月「あの二人の腕前でそれはないでしょ」
アルレット「う〜ん、とするともう町の外に出ちゃったのかしらね、隣町とかに」
マイ「確かに、それが一番可能性としては高いですね」
ガロード「じゃあ、アムロ兄を元に戻すのは後回しってこと?」
アルレット「そうねえ、こんな状況じゃ隣町に探しにも行けないし」
アセム「まずはデビルガンダムとフル・フロンタルをなんとかしなきゃいけないってことだよな」
マイ「そういうことになりますね」
キラ「はあ、憂鬱だなあ。今度は迷惑かけたおわびに、隣町まで謝りに行かなきゃならないのか」
ガロード「いや、こういう時一回も謝りに行ったことないじゃんキラ兄は」
マイ「どちらかといえば、シロー兄さんの仕事ですよね、こういうのは」
アセム「今から考えても、胃に穴が開きそうだな、シロー兄さん」
ガロード「むしろ、胃が爆発するんじゃない?」
アセム「言えてる」

 そう言って笑いあうガロードたち。
 他のガンダム兄弟もまた、めいめい異なった場所でそれぞれの時間を過ごしていた。
 その時、東の空が白み始め、山の向こうから太陽が顔を覗かせる。

シロー「夜明け、か」
アイナ「行くのね、シロー」
シロー「ああ。必ず取り戻すよ、俺たちの住む日登町を」

 時刻はAM 04:50 
 デビルガンダム掃討作戦開始まで、あと10分――!