ハマーンが倒れたらしい、あのオードリーが珍しくうろたえている
今流行りのコ●ナかと思ったが、どうも精神的なものらしい…
宇宙世紀の電波人間は精神的に打たれ弱いからな…どれ、ちょっと様子を見に行くか
マシュマーのボケとふたりでハマーンの部屋に行くことに
アクシズなんて老朽施設の電子キーぐらい工作員の俺の手にかかればお茶の子さいさいだ、
マシュマーが「ハマーン様の部屋に土足で上がり込むなど!」激高してややめんどくさかったが…
開け方教えろ? やめろ! 俺がハマーンに殺される!!
ハマーンの部屋だが意外にファンシーな少女趣味で、俺的にはドン引きだった…
一年戦争時代の全盛期大佐の引き延ばしポスターが壁一面に貼ってある、やはり男の趣味悪いな
ハマーンはというと、少女趣味なベッドにもぐりこみ「俗物…俗物…」といいながら震えていた
おい、大丈夫か? ハマーン様ぁとマシュマーが走り込もうとしたが、ドローン型ファンネルでギレン閣下
よろしくヘッドショットされた…

…可愛らしいパジャマを着た仁王立ちのハマーン様、ただその目は名探偵ウサミちゃんみたいだ
俺のまわりにはドローン型ファンネルの群れが、獲物を狙う人喰い鮫のようにグルグル旋回している…
「それで、いったい何の用だ俗物?」
あ、アノデスネ…みねば様ガ「ハマーンが倒れました、年若い私がバナージと婚約してしまい傷ついて
しまったのでは? 様子を見てきて前髪」トオッシャルノデ、チョット威力偵察ニデスネ…

「そうか…ミネバ様が、御心配をおかけしました、少し疲れが溜まっただけですと伝えてほしい……
あと私はまだ二十歳なので婚期を焦る歳ではないともな…」
カ、カシコマリィ〜〜!! ハマーン様、アレでも騎士リアさまや大佐の妹より年下なんだよな

「マシュマー、お前もとっとと出ていけ!」
ぞんざいに蹴り出されるマシュマー、だがその顔には歓喜の笑みが張り付いていた…
で、ハマーン様いったい何が? あんた病弱なわけじゃないし、倒れるようなタマではないでしょ?
「な、なんでもない! ちょっとPTSDになりかけただけだ! 私だって人の子なんだ!」

何かショッキングなものでも見たの? インド人の悪霊女とか
「ち、違う! 私は何も見ていない! あんなビデオの事なんか知らん!!」
あれれ〜? 誰もビデオなんて言ってないんすけど??
「人の心の中に土足でずかずかと…この俗物めぇ!!」
ファンネルがハマーン様の殺気に呼応するまでの刹那、俺は見事な回転ジャンプを決めつつ
ファンネルの弾幕をすり抜け ビデオデッキのリモコンを奪って、ビデオデッキを再生させる。

「ヒッ!」
可愛らしい悲鳴を上げてファンネルのコントロールを失うハマーン様、ビームの幾らかは
ダウン中のマシュマーとたまたま通りかかったグレミーをハチの巣にしてしまった…
だが、ビデオデッキに映った映像の方がそれより遥かにショッキングだった
それは、瞳ハイライトオフ状態のマレーネ・カーンが、ドズルを縛り上げて逆レイプしようと
する内容だった「待てマレーネ! 俺には妻が…!」「親父の指示だな? 自分を大事にしなさい!」
という言葉が続く…ハマーンは布団をかぶり「嘘だ!嘘だ!嘘だ! 姉上がこんな事する筈がない!」

うん…身内がこんな事したら病む罠
「マレーネ・カーン…あの朴念仁の父を落とすとは…お母さまが唯一ライバルと認めただけの事はありますね」
み、ミネバ……ザビ家の女もザビ家に輿入れする女も強くなくてはならないのか? 嗚呼、俺の涙か…