5

たまに姿を見せる蛇は最後にいつもフッと笑った。
冷笑というか軽蔑というか、まさに「一瞥」という感じだった。
本当に不可解な少年だった。
「こんなくだらないものどうでもいい」という態度ではあるが
「こいつをどう使うか」のような関心も持っていたのだろう。だから何度か俺を見に来てたんだとは思う。

まぁ少年と言っても、こちらは赤ん坊なわけで、
まさに俺からすると巨人だったわけで、まさに兄だったわけで、俺は基本的に蛇に睨まれた蛙のような気持ちだった。

蛇に関してはいまだによくわからない。わかった部分もあるが、それが演技だったのか、本当の姿だったのか。
とにかく、おいおい書いていくが。孤独だったんだとは思う。いや孤高なのか。

とにかく、乳母のデボラが蛇の名前を呼んだ時に
全てが判明した。

「ギレン坊ちゃま。サスロ様がおびえていますよ。ほどほどに」