富野の話によればF91の続編作れなかったのは人気や売上関係ないよ
上から完全新作じゃなきゃ困ると言われて
おかしいなと思っていたら身売り話かよ、で病気になった



このシリーズで、僕自身がこういう立ち居様になった結果というのは、作品論的なものではありませんでした。
もちろん、そこには僕自身の問題もありはしますが、経営論が優先した作品だったのです。

その証拠が、『Vガンダム』の製作が終わった瞬間に、サンライズという町場のプロダクションが、
バンダイという大手の会社にそっくり譲渡されていたのですから。

そもそも、「またガンダムをやってくれ。そうでなくちゃ困るんだ」と僕が言われて、
企画が始まった時には、すでにプロダクションの買収話が、前提としてあったようでした。

『Vガンダム』のオンエアの1年くらい前のことのようですが、町場のプロダクションの経営者たちは、
会社の経営を譲渡するためバンダイとの下話を始めており、その交渉の条件を満たしていく中で、
サンライズは『ガンダム』を作るしかなかった、ということだったのです 。
(略)
(F91の続編ではなく)全く新規にやってもらわなくちゃ困るんだよ、という言われ方をした時にも
「え?」とは思ったけれども、しょせん町場のプロダクションの経営者だったらそんなもんなのかな、
と思っている部分がありましたから、それ以上のことは考えていませんでした。

しかし、実際のところはそうではなくて、町場の人間というのは
自分たちが生き抜いていくためには、もっとしたたかだったということです。

僕はサンライズの中でずっと仕事をしていましたから、自分の立場からすると、まるで人身売買されたような気持ちになりました。
そのような事態が進行する2年の中で、作らされていたのが『Vガンダム』だったのです。