急設鏡艦 ウユニ

ソーラ・システムIIの本来の母艦として建造されていた艦艇。
建造途中で終戦を迎えたマゼラン級の船殻と主機を転用して、反射鏡制御用の強力な演算能力と、敷設支援の鹵獲旧式MS多数を露天係止で搭載し、
初代より少ない数の反射鏡でより強力な照射を実現可能とし、戦後の混乱を抑えるための、文字通り「目に見える」抑止力として、向背定かならぬ宇宙居住施設へのデモンストレーション能力を狙った。
反射鏡自体は初代の在庫品を流用する事として、固定武装が出来合いを据え付ける近接防禦システム以外ほぼない事もあり、補助艦艇として建造を民間造船所に委託して細々と進め、0082年には完成するに至ったが、
実はこの造船所自体が、連邦の軍籍を偽装したジオン残党の巣窟であり、公試途中に謎の失踪を遂げている。
中枢としての本艦を欠いた事が、デラーズ事変でのソーラ・システムIIの展開失敗にも繋がっているのだが、
強力な演算・通信能力を抱えたまま歴史から消滅した本艦が、その後のジオン残党抵抗史の闇で果たした役割はいまだにうかがい知れないとされている…概ね都市伝説の域を出てはいないのであるが。