RB-80-2キューブ

RB-79ボールの簡易生産型
もともとボールは宇宙用作業ポッドSP-W003の改修型であり、新規生産分もおなじ生産ラインで製造されていた。
スペースデブリ対策で避弾経始を重視した球形をしていたボディだったが、作業ポッド程度の装甲圧では多少の傾
斜装甲は戦闘中においては意味をなさず、成形炸薬弾やAPFSDSにも有効とは言えなかったため、その球形ボディ
は生産性を下げる要因として認識されるようになった

そのため、既存のSP-W003を改修した第一期生産分、新造した第二期生産分をもってRB-79の生産は打ち切られ、
もっと生産効率のよいRB-80キューブが生産されることになった

平たく言えばボールと同等の厚さと機能をもった装甲版でくみ上げた正6面体であり、ボールと同等のマニュピレーター
と駆動系、武装を装備している。また、ボールよりも内部容積に余裕ができたため推進剤と燃料電池、酸素などが余計
に搭載でき、継戦能力が30%ほど向上しているほか、マニュピレータと120ミリ砲を内部に格納可能である

最大の特徴はそのスタイルであり、その姿勢である
試作第一プランの80-1ではただの正6面体に大砲とマジックハンドをつけただけの簡易生産型にすぎなかったが、実戦
テストの最中にアポジモーターが故障し、角を敵正面に向けたまま姿勢変更ができなくなることがあった。しかしその状
態だと敵正面に対して装甲版が斜めに寝る事になるため、正面のままよりも装甲圧を生かせることが発覚した。生産性
を向上させたまま原器であるRB-79と同等の避弾経始を得られることがわかり、80-1規格で組んでいた生産ラインを80
-2に急遽変えることが決まった。内装から駆動系、各種補器類、武装に至るまで再配置しなければならず作業は難航
した。

そのため、一年戦争には間に合わず、戦後はRGM系の生産ラインも整ってきたため、RB-80-2キューブの量産は戦後
すぐに差し止めとなったが、設計さえ間に合っていればRB-79と同等の性能を持ちながら生産コストを下げたキューブ
は連邦宇宙軍の礎になったはずである