「君の父上がいけないのだ」はシャアの言い分でしかなく、「仇の末子」に向けた恨み言でしかありません
ガルマの最期は哀れで不憫であるかに見えてしまう。が、それはシャアに「謀られた」という同情でガルマに感情移入してしまうからでしょう
ガルマはシャアを「友人」と認めている描写が有り、シャアもそれが当たり前で自身もガルマと同じ心情のように振る舞っています
しかしここにガルマの落ち度があるのです
それは「優秀で才覚のある友人が、自分に不利益を与えるはずがない」という過信
WBが北米大陸に迷い込んで以降、シャアがしてのけた小細工に対してガルマがした対処は担当兵士への叱責しか描写されていない
これはシャアが友人であるがゆえの過信と贔屓でしかなく、指揮官としては職務怠慢であるとしかいえない
また育った環境のせいか、自意識過剰で見えっ張りで直情型な面も伺える(最もこれは周囲からそう振る舞うように仕付けられたか、彼自身が彼を取り巻く環境からそれで当然と思い違ったのかもしれないが)
人を見る目がなく、人を疑うことをしらない正しく「坊や」であったことが彼の人生を不憫たらしめたのではなかろうか