この日は、カーンが所属していた新日本プロレス勢が大挙してMS・Gに登場していて、アントニオ猪木はボビー・ダンカンとNWFヘビー級、藤波辰巳(現・辰爾)はドン・ダイヤモンドとWWFジュニアヘビー級王座のそれぞれ防衛戦を行った。そして坂口征二はワイルド・サモアンズ2号と対戦し、期待の大型新人・谷津嘉章は国内に先駆け、カルロス・ホセ・エストラーダを相手にプロレスデビュー戦を行った。カーンは新日本のトップ3を抑えて、メインイベントに登場したのだった。 

 さて、カーンといえばアンドレ・ザ・ジャイアントとの抗争が広く知られていて、日本でも82年4月1日に蔵前国技館で「第5回MS・Gシリーズ」優勝決定戦で名勝負を演じた。

 本人が選ぶベストバウトは何だろう?

「色んな人に聞かれるんだけどね…。テリー・ゴディとやった試合、テキサスデスマッチだね(84年ごろのテキサス州ダラスでの試合と思われる)。あと、藤波ともいい試合ができたと思うね」(カーン)。