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井上はレフェリー転向がダメならダメでいいから、馬場にははっきりしてほしかったと述べている。
返事も態度ものらりくらりとして、そのまま引退させようというのが馬場の魂胆。
ならばと、馬場の事前の了承なしにレフェリー転向を宣言し既成事実化した。
馬場の一番嫌がることを正々堂々とやってのけたのである。

一方の馬場からすれば、これは絶対に認められる話ではない。
こんな悪しき前例を作ってしまえば今後何が起こるか分からず、全日本の秩序が崩壊する。
だが「ウソはつかない馬場さん」というイメージは広く定着しており、撤回まではできなかった。

井上の引退時、両者にはこのような葛藤があった。
そんなこと当時は知る由もなく、今更ながらに味わい深い話である。

その後井上は前座の名物レフェリーとなり全日本、ノアで活躍する。
09年、日テレ打切り後に三沢にリストラを宣告されるが、快く受け入れ三沢に感謝を述べる。
現在は故郷に帰っての年金暮らし。

思えば国際崩壊時、「みんな新日本へ行け」という吉原に反逆して全日本へ行ったのが井上。
このように井上は気骨のある芯の強いレスラー。

新聞紙の功労金を用意していた馬場に対し、了承なしのレフェリー転向を宣言して馬場に認めさせた。
井上の引退劇は馬場への反逆が成功した、極めて稀な事例であった。