かつて練習相手だった井上康生も「まるでこっちのエネルギーを吸い取られるみたいな
無尽蔵なスタミナの持ち主で、全く勝てる気がしなかった」と言っていた。

竹園隆浩
「ひたすら突進し技をかけ続ける。相手は丸太で足を殴られ続けているみたいなもので、
ダメージがたまって我慢できなくなったところを、小川は狙いすまして仕留めるんです」

上村春樹
「小川がただ前に出るだけで相手がへばっていく。私たちには考えられなかった、大型
選手が作り出す新しい柔道の時代が来たのかなって思ったよ」

それを可能にしたのは明大時代に与えられた無茶苦茶なハードトレーニング。
寝技の練習をやった後に乱取り二時間、さらに三十人の部員全員から一本を取るまで
真剣勝負、その後全員相手に一分ずつの打ち込み。
肺活量7000ccを身につけてしまった小川は圧倒的なスタミナで先手を取って動き回り、
「重量級選手がやる軽量級の柔道」で相手をボロボロにしても、自分の息が上がることは
まったくなかったという。