1983年の第一回IWGPはシリーズ全会場札止めのウルトラ大人気で、
決勝の蔵前国技館なんか、自分が見たすべての会場の中で断トツの
超満員だったぞ。(ちなみに83年元日の後楽園ホールは入場してない)

当日立ち見の券をもらって入場したんだが、普段の蔵前は一階最後列の
後ろの通路から文字通り「立ち見」出来たんだが、そこが二重三重の人の
壁でふさがれていて、文字通り何も見えなかった。こんな事初めてだった。

仕方ないので花道以外の通路に座り込む強硬手段に出たんだが、通路すら
満員電車状態になっていて、歩く人間が自分たちの頭をまたいでいくしかない
有様で、これで全試合見るのは苦しいと先輩に連れられて移動した。

先輩が目を付けたのは当時蔵前の二階の上にあった監視所みたいな関係者
専用の張り出しバルコニー。ここで身体のでかい力士がベンチに座って見ていて
先輩はそのバルコニーを力士の付け人らが出入りしているのに目を付け、
我々は空いていたドアから潜り込んで、鷹揚な力士の方が黙認してくれるのを
いいことに数人ほどの観客と一緒に立ち見を決め込んだ。

試合はご存知のように猪木失神で騒然とした幕切れ。「猪木が病院で意識を
取り戻した」というアナウンスでやっとみんな退散した凄い思い出の試合だ。
ちなみに力士の方たち出ていく時、そこにいたモグリの客はみんな頭を下げて
挨拶して見送ったのであったw