三沢
「それは試合の駆け引きなんだよね、ロープという道具を使うかどうかというのは。
ただプロレスはロープを使って上下左右に動けるから、体格差のある相手とも闘えるんだよ。使わない手はないと思う。
ロープに振られても返らないようにする。それはそれでいいんです。
相手が飛び技をやりそうなら、逆にロープを引いてこらえてもいい。でも飛び技じゃない時もある。
ロープを背にした状態でエルボーとかラリアットを食った場合には、受け身も取れない。リング下に飛んでいっちゃう可能性も高い。
危ないですよね。無理な力で防御しちゃいけない、というのはプロレスの基本だから。
(略)ロープに飛ばないようにすることは、もちろんできますよ。
ただ走らないようにすると、相手に片腕を取られた状態になる。片腕を取られてロープに行かない場合は、相手にそのまま肩とか肘を抜かれちゃう場合もある。手首を持ったまま、相手を前に出して逆にぐっと手前に引っ張ったら、人間の関節って外れちゃうものなんですよ。
イヤならロープに行かなくてもいい。ただそっちがそのつもりなら、こういう痛い目に遭う可能性だってある。
それを考えてみないとね、フフ。そんなこと知ってるレスラーは、あまりいないですけどね」