(川田選手との)そこまでの私情があると、パンチと蹴りで行おうなんておもわないものですか。
秋山「でも僕はプロですからね。それをやっちゃったら、もう全てにおいて成り立たない。
僕のプロレスラーとしての価値が下がっちゃいますよ。
ただのケンカを見せてもしょうがない。プロレスの技を使ってケンカをします」

プロレスは単なるケンカではなく、もっと競技性のあるものだと。
秋山「競技性のある中に、そういう本物の感情がぶつかりあうというのが一番面白いかな、
と思いますけどね。素の感情がぶつかるから面白いんでしょう」

すると秋山さんにとっては、プロレスはどんなスポーツなんでしょうね。
秋山「何ですかね…。様々な感情をぶつかりあえるものですかね。
小橋さんと闘う時は、無茶苦茶やってもどこかスポーツライクというか、一陣の爽やかな風が吹いているんですね(笑)。
チョップの我慢比べをしてても、本当に爽やかな感情のぶつかり合いなんです。
一方、川田さんの場合なんかは、ドロドロした感情もあるし」

それもこれも含めてプロレスなんだ、と。
秋山「そうですね。小橋さんのチョップなら、どんなに痛くても、汗が飛び散るきれいなイメージがある。
川田さんの蹴りなら、本当に杭でバーンと打ち込まれているような、クソっと思えるような痛さなんですよ。
いろんな感情を抱えながら体に染みてくるものというのが、闘う側にとってのプロレスかもしれません」

川田選手との試合で、反対に秋山さんが串刺し式のブレーンバスターで失神させるシーンもあったでしょ。
ああいう時は『ほら、見たことか』という気分ですか。
秋山「そうなりますよね。川田さんだって、自分があれだけ言ったんだから秋山がどんな気持ちでいるのか、それくらいは分るでしょう。
気づかなければアホですよ。もしかしたら僕より早く察知して、川田VS秋山戦の組み立ても、それなりにやってたはずですよ。
ただここで一言残しておきたいのは、僕がかつて川田さんにやられたことを、今、僕が志賀や橋にたいしてしていると
感じている人がいるみたいなんですよ。言っておきますが、まるで違いますから。
育てるのと潰すのは違うんです。僕は何だかんだ言ってても、あいつらを育てているつもりなんですよ。
川田さんのやり方を真似するはずはないですよ」