SKは周りをキョロキョロ見渡し、人がいないのを確認すると、思いっきり殴りかかってきました。
髪を鷲掴みにされ、コンクリートの壁に頭を打ち付けられました。
頭が一瞬真っ白になり倒れると「立てコラッ!」と言われ立ち上がりました。
今度は頬を3発張り手、腹に蹴りを1発入れられ、襟元を掴まれ色々怒鳴り散らされ終わりました。
なぜ喰らわされたのか分かりません。

夜中、道場に着くと社長から選手全員来るように言われて、自宅に向かいました。
「今日、何で西やんが殴られたかわかるか?」
「ここに白いマグカップがあるだろ?でもな、先輩が黒って言えば黒だし、黄色と言えば黄色だぞ。」
「先輩の言うことは絶対の世界だから、先輩に逆らうようなことはするなよ」
と言われました。

デビュー前ということで半端ない受け身の数、スパーリングをやっている時期です。
練習の終盤、もう疲労困憊の中、Nに言われショルダースルーの受け身をやることになりました。
いつもやらないのに、この日に限って初めての技を受けます。
Nに投げられるのですが、変に落ちたのか落とされたのか、わかりませんが、受け身を取った瞬間、背中が詰まり、声も出せず、動けなくなりました。
ここまでなら自分が下手だったのか、相手が間違って変に投げたかの話でいいのですが、ここからが違います。
倒れているとSKに髪を引っ張られ「立てコラ!骨が折れてるわけじゃねぇんだから、やれ!」と言われ、できないですと目で訴えても10回同じ技で投げられました。
背中がヤバイ状態で、自分でも体がおかしいなと思いました。
この時、もうすでに背骨は圧迫骨折しています。