馬場の日プロ最後となる夏のシリーズで巡業についていった。
奄美大島、喜界島、徳之島での3連戦。薩南諸島と巡る船旅だ。
同行取材は東京スポーツと鈴木晧三カメラマンだけとはいえ観光ツアーではない。
奄美から喜界島に渡る船は漁船だ。きつい船旅だった。

いろいろ注文がうるさかったのはマスカラスだ。帰路の鹿児島港に向かう船で
「1等船室はないのか」「シャワーがついていないのか」と文句ばかりなのだ。
ついに堪忍袋の緒が切れたのが、レフェリーのジョー樋口さん。
「テメェー、なに様だと思っているんだ。ニューヨークの連中だって黙ってついてきているじゃないか。ふざけんな!」
外国人係という役目を忘れたかのように最後はもの凄い剣幕で
マスカラスを日本語で怒鳴りつけていた。