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 吉村知事は「見回り隊」や「給付金」などの対策を講じているが、それも有名無実化している。天王寺駅近くで営業する飲食店店主が言う。
「『見回り隊』はひどいもんや。2人1組で巡回して、店の外から換気の状態やアクリル板の設置をチラッと見て、あとは店の人間と立ち話をするだけ。
 店内に入らへんのに、何の取り締まりもできんでしょう。
 時短や休業に応じた店への協力金も、前回は申請から支給まで2か月かかった。今回もいつ給付されるかわからない。店が潰れるのが先か、入金が先かというギリギリの状態ですわ」

観光業界からも厳しい声が飛ぶ。日本城タクシーの坂本篤紀社長が語る。
「インバウンドが激減したタクシー業界は2019年の6割程度の売り上げで壊滅状態や。それもこれも吉村はんが仕事をしとらんから。
 これまで大阪は何でも専決処分で決めて、府立病院の職員の給料を下げたり、第3波の後にすぐ病床を減らしてきたのやから、知事の権限で医療従事者の給料を上げればいいやんか。
 吉村はんは『コロナ対策のために個人の自由を制限すべき』と言ったが、まずは自分の権限でしっかりとした対策を打つべきです」

 府民の不満はテレビ局にも向かう。
「吉村知事は各テレビ局に順繰りに生出演していますが、最近は視聴者から『テレビに出る暇があるならコロナを何とかしろや』『パフォーマンスばかりの奴を出演させるな』とクレームが増えている」(在阪テレビ局員)

 ジャーナリストの大谷昭宏氏は、吉村知事と在阪メディアの「共犯関係」を断罪する。
「この期に及んでテレビに出続ける吉村知事もおかしいし、引っ張り出すテレビ局も間違っています。
 吉村知事は即刻テレビ出演をやめてコロナ対策に集中し、在阪テレビ局は専門家を呼んでその対策の是非を報じるべきです。
 先週、あるテレビに出演した後に吉村知事が『5月11日に緊急事態宣言解除なんて夢のまた夢ですよ』と弱々しくつぶやいたと関係者から聞きましたが、その通りになった。
 そして、それは自らの無策の結果であると自覚してほしい」

 顔面蒼白の知事に挽回の機会はあるだろうか。
※週刊ポスト2021年5月21日号