ウィリアム・ゴールディングの蠅の王読んだ!

1950年代に発行されたらしいけど今でも十分通用する迫力だった!
物語の仮想の世界戦争中に疎開地へ向かう男の子達を乗せた飛行機が
無人島に墜落して、残った子達が生き残るためにルールを作ったりして、
何とか秩序を保とうとする

でもそこは悲しい人間のさがで、徒党を組んだり対立が起きてしまう
助けを求めるための狼煙を起こすはずが、
当番の人がそれを怠ったために船が来ても気づかないまま
島を通り過ぎてしまい、それが元で争いが起きる
ついにはカリスマ性のあるリーダーが率いるグループが
リーダーの命令で、何人かを殺すまでに至る
その時点ではそのグループの男の子達は蛮族のように
顔に泥を塗りたくった状態になっている

恐ろしかったのは人間の中に潜む獣性を暗示するかのような、
切り取られた豚の頭の描写......首を切られた豚の頭が尖った
木の棒の先に乗せられて蝿が集まるんだけど、
その描写が細部まで長々と記載されてる で、作中にそれが度々言及される

欧米ではこの作品が少なくとも数十年前までは
国語の授業の題材の定番らしいけど、それも納得の筆力と思った