カリン・スローターの「三連の殺意」読んだ
この作者の大ファンなんだが本作は特に描写がきつかったな
主役というか「捜査役」が特別捜査官のトレントという優男
見かけも行動も言葉使いも優男だけど、内なる力強さを秘めている
それは恐らく彼の壮絶な過去に起因する
トレントの首のギザギザ傷跡が、それを示唆しているし、ジャンキーの母が薬中毒で死んだとにより施設で育てられたらしい
さすがに難読症にもかかわらず高い検挙率を誇るらしい事実は無理があると思うけど
地図の標識やレポートも読めない様子

ストーリーは、舌を犯人の歯で噛み切られた売春婦の死体が発見される所から始まる
過去にも同様の手口で殺された少女の事件があった…
同時進行で20年服役した後に出所した男の視点からも話が進む
この男がトレントの幼馴染でもある売春の覆面調査員(彼女自身が売春婦役として行動する、彼女もキャラが濃い)
と絡み合うことで、色々な要素や事実が冒頭の事件と複雑に結び合ってることが分かっていく……

構成力といいサスペンスといい、個人的にはクライム・フィクションとして一級品だと思う
ただは絶版らしいので彼女の作品を勧める