10 名前:番組の途中ですが名無しです[] 投稿日:2006/09/21(木) 00:41:20 ID:FePfbNd/0
こんな夜更けに、闇と風の中に馬を走らせるのは誰だろう。

それは父と子だ。父はおびえる子をひしと抱きかかえている。

父 「息子よ、なぜ顔を隠すのだ」

子 「お父さんには魔王が見えないの。七輪を使って、魚を焼いてる・・・」

父 「あれはたなびく霧だ・・・」

魔王 「サンマの塩焼きジュウジュウ 大根おろしショリショリッ」

子 「お父さん、お父さん!きこえないの。魔王がぼくになにかいうよ。」

父 「落ち着きなさい、枯葉が風にざわめいているだけだよ。」

魔王 「炊き立てご飯パカッフワッ ポン酢トットットッ…」

子 「お父さん、お父さん!見えないの、あの暗いところに魔王の炊飯器が!」

父 「見えるよ。だが、あれは古いしだれ柳の幹だよ。」

魔王 「ハムッ ハフハフ、ハフッ!!」

子 「おとうさん、おとうさん!うわ キモ!魔王きめぇよ 死ね!」

父親はぎょっとして、馬を全力で走らせた。あえぐ子供を両腕に抱え、やっとの思いで館に着いた・・・
腕に抱えられた子はすでにご飯を炊いていた。