大富豪の死んだ娘と瓜二つの顔と性格に生まれていたという妄想
その娘には弟がいて重度のシスコン

大富豪の方は娘が生き返ったようだと喜ぶが、弟の方はアイツは姉さんじゃない!死んだ姉さんを蔑ろにする気かと反発
私の方は本当の両親も健在だから大富豪とは程々の距離感を保ち、お金の援助も断って友人としてたまに家族ぐるみで食事に行く仲になった
食事会のたびに何を言っても笑顔で聞いてくれるから私の方も嬉嬉として色んなことを話した
はじめは不機嫌だった弟さんとも次第に打ち解けて気さくに話せる仲になっていった

ある日のこと
この年になってもモテないから婚活するという話を食事会の時に漏らした
実の両親はやっと思い腰を上げたと茶化し、大富豪はまるで娘が嫁ぐようで寂しいけれど幸せになって欲しいと応援してくれた

しかし婚活の話を聞いてから弟さんの様子がおかしい
一瞬真顔になったかと思うと急に機嫌がよくなって笑顔
でもなんだか目が笑っていなくて不安になってしまうような笑顔

「おねえさんが姉さんじゃないってこと忘れてたよ」
その言葉の意味は後から身をもって知ることとなる