女性の社会進出の波が、ごみ回収業や建設業といった男性の比率が高い業種にも押し寄せている。
兵庫県西宮市のごみ回収業者は「業界のイメージを変えたい」と9月から女性ばかりで組織するチームの活動をスタートさせた。

建設業の全国組織「日本建設業連合会」でも、全国の建設業者の女性チームに登録証を発行するなどイメージの刷新に向けて動き出した。
男社会≠ニされた業界に今、何が起こっているのか。

■ 「ごみ回収は女性向きの仕事」

9月上旬の早朝、西宮市内の住宅街をピンクのごみ回収車が走り回っていた。
運転席にはピンクの作業着を着た女性の姿。収集場所の前に横付けすると、同じ作業着を着た別の女性が降車し、「はい!」と声を掛け合いながら、ごみを手際よく回収車の後部にほうり込んでいった。

彼女らはいずれも西宮市のごみ回収会社「大栄」の従業員。
女性ばかり3人で編成される回収チーム「さくらチーム」のメンバーとして、9月から本格的に活動を始めた。

西宮市の市花がサクラであることにちなんで命名され、回収車はピンクに塗装。
作業着はメンバー3人がデザインを考え、ピンクの生地にサクラの花びらがプリントされている。

同社は西宮市からごみ回収の委託業務を受けており、従業員は男女合わせて約70人。
うち女性は6人に過ぎない。

ただ、同社では2年ほど前にシャワー室完備の女性専用の更衣室を設けるなど、女性が働きやすい環境作りに力を入れていた。
さらに昨年12月以降、若手の24〜26歳の女性3人を採用したことから、業界のイメージ刷新を狙ってチームを立ち上げた。

同社の担当者は「ごみ回収は今まで女性には不向きの仕事だと思われていたが、親しみやすさや細かいところに気がついたりといった点で、むしろ女性向きの仕事だというイメージに変えたい」と話す。
今後、女性従業員が増えれば、新たなチームの発足も視野に入れる。

さくらチームに所属する漣(さざなみ)優貴さん(25)は「仕事の内容自体は体力勝負。あまりいいイメージはないと思う」と話す一方で、「自分たちの姿を見て、女性がこの業界に興味を持ってくれたら」と意気込んでいる。



写真:ごみ回収会社「大栄」で、9月から本格的に活動を始めた「さくらチーム」の女性従業員。男社会に女性の社会進出の波が押し寄せている=兵庫県西宮市
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