鬼はー外、福はー内!そら、もう一回。鬼はー……どうしたんだい?
ああ、後掃除か。そのことなら気にしなくていい、私が一粒残らず掃除するから。だから君は豆を投げて、悪い鬼を退治することだけに集中してくれ
……そうそう、上手だ。だけどそんな弱い投げ方じゃ鬼は去ってくれないだろうね。彼らはしつこいから
はは、冗談だよ。ほら、もう一回


夜だから近所迷惑にならない声量で「鬼は外、福は内」と叫び、豆をまく彼女
その姿がかわいいと同時におかしく思えて笑ってしまう

鬼はもう内に入っていて、君のすぐ側にいる……そう言えば君はどんな反応をするだろう
君がいくら豆を投げても鬼は去るどころか、むしろ増えていく
だから私が代わって鬼退治しよう。誰も君に近づかないよう、ずっと、永遠に