東スポ1面
安田記念 激白ダービージョッキー 福永サングレ勝算

ワグネリアンを神騎乗でVゴールに導き、「ダービージョッキー」の称号をついに手に入れた福永祐一(41)は今、「最も乗れている男」と評しても異論はあるまい。
安田記念で騎乗するサングレーザーは、偉大な父ディープインパクトを追いかける若い才器。
まさにかつての福永とイメージが重なる。
果たして“超良血タッグ”が秘める可能性とは!?

”ダービージョッキー“福永祐一誕生のほんの少し前のことだ。
競馬場にヤジはつきものとは言え、未だに…と思わずにはいられない痛烈なヤジを浴びたという。
「パドックで“親の七光り!”って言われてね。
一応、僕は2000勝してるのに…。
そもそも”七光りって何十年、効果あんねん!“って…。
自分でも笑けてきましたよ」
これが2世の辛さ。
父親の名が偉大過ぎると、単に数字を追い抜くだけでは世間は父を超えたと見なさないのか、それとも絶頂期にターフを去った喪失感がそうさせるのか…。
天才ジョッキーと呼ばれた父・福永洋一はJRA 通算983勝を挙げ、GI 級9勝、重賞49勝。
1970〜78年に9年連続で全国リーディングに輝いたが、79年3月の落馬事故で重度の脳挫傷を負い、引退を余儀なくされた。
一方、2世福永祐一はGI 21勝、重賞128勝、武豊に次ぐ史上2番目のスピードで通算2000勝達成という父超えの実績を挙げながらも、口さがないファンから“コネナガ”呼ばわりされる現実がある。
それは福永家の悲願だったダービーを制した後でも、一変することはないのかも…。
「ナメるなって思いますけどね。
僕を、ではなく、この世界を。
コネだけで勝てる甘い世界じゃないのに…。
ホント、僕のことを認めたくない人がいると思うしかないのかな」
とかく叩かれやすい男だが、心ない暴言に時にやるせない表情を見せつつも、流せる懐の深さもまた一流である。
一方、競走馬の世界で偉大な父親といえば、6年連続リーディングサイヤーのディープインパクトで異論は無かろう。
そんなディープ産駒に過去1年で最も多く乗っているジョッキーが福永だ。
しかも、勝率はMデムーロに次ぐ第2位。
安田記念では前哨戦のマイラーズCでレコード走を決めたディープ産駒サングレーザーに騎乗するとなれば、今週も注目しない訳にはいかない。(続く)