飛び降りる 積もりで際に 立ったけど ここは二階だ 死ねそうもない


最後に残ったお金でもって、タイの北部の町で薬と女に浸っていた。その期間は二度目だったが、三ヶ月ぐらいで何種類かのアップ・ダウン両方の薬を使っていた。具体的には、三種類といったところであろうか。そして、お金も尽きそうになり、バンコクの空港近くの宿にて解毒して、帰国をしようと考えて、それなりにしっかりした朝食付きのゲストハウスに滞在していた。部屋の中でもがき、時折湯船にお湯を溜めて漬かっていると、紅色のバスタオルが一組。二枚並んでいるのが見えて、酷く寂しい気持ちになった。ベッドもシングルが二つだったと思う。本当に苦しくて、ベランダに出て下へ飛び降りようとも思ったが、二階だったので死ねやしないであろうと…ふと、庭の片隅に仏壇があるのに気がついた。

永遠と一日 / baobab + haruka nakamura