山武市出身の歌人で小説家の伊藤左千夫(1864〜1913)をしのび、短歌に
親しむことを目的にした第57回左千夫短歌大会(同市主催)が18日、同市殿台の
成東文化会館のぎくプラザで開かれた。小中高校生と一般の各部で作品を募集し、
今回は過去最多の2987の応募があった。高校生の部ではゴリラの孤独を表現した
県立成東高校2年菱木俊輔君(17)の作品が市長賞に輝いた。

 「ぼくゴリラ ウホホイウッホ ウホホホホ ウッホホウッホ ウホホホホーイ」

 昨年春、千葉市内の動物園でゴリラを見て、「ゴリラも人と同じように孤独なのでは
ないかと感じた」そうで、その孤独感を表現したかったという。ゴリラのイメージを文字で
表すなら「ウ」と「ホ」だったので、そのふたつでまとめるようにした。書き始めて30分ほどで
完成したという。選者の田井安曇さん(78)は「素手でつかんだ本音を歌っている
ユニークないい歌だ」と評価する。

 国語の授業でつくり、応募した。入賞の知らせを聞いた時は「まさか、と思った。
先生は何かの間違いかと思ったそうで、友人からも奇跡だといわれた」。バレーボール部員で、
得意科目は数学と国語。短歌は「これからも何かの機会があれば作るかもしれない」と話していた。

 大会では各部での入賞作品が表彰された。田井さんは「小中学生にも新鮮な感覚の作品が
あり、左千夫も喜んでいるでしょう」と話していた。(高木和男)

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