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当時作者は戦争で疎開しており、この作品は戦争が終わってすぐの作品。
作者は戦争高揚歌を多作したなどの理由で、戦争犯罪人として処罰されかねない
局面を迎え、沈黙することを余儀なくされていた。

歌は、そうやって沈黙していなければならない作者に「これを見よ」とばかりに
沢山の葡萄(百房というのは音韻から選ばれたのだろう)に雨がふりそそいでいる、
という内容の歌。国破れていまだ山河あることの悲しみと、卑小な作者と雄大な
自然の対比が一首の中心となっている。