非常に奇妙な動きは実は、検閲をかいくぐって書きたことを書こうとする中国の人たちと当局との、ないせめぎあいの新たな一幕なのだ

インターネット上で中国の最高幹部たちは、様々なあだなで呼ばれている

クマのプーさんもそのひとつだ
丸っこくてふっくらして愛らしいプーさんの外見が、習近平国家主席に似ているとソーシャルメディアで評判になったため、検閲当局はプーさんの名前や画像の投稿をブロックしている。
習主席と日本の安倍晋三首相が、非常に耐えがたい握手に耐えた時の写真は、ソーシャルメディアではたちまちプーさんとロバのイーヨーの握手に置き換えられた

2015年9月の戦争勝利記念日の軍事パレードで習主席が、リムジンの屋根から頭を出して閲兵すると、車から頭を出したプーさんのおもちゃの写真も間もなくオンラインに登場した。
中国の検閲は、国家指導者をからかう内容を許さないというだけではない。
この世界中で愛される児童文学のキャラクターが、国家主席のオンライン代名詞になってしまうのを防ぎたいのだ。

これがほかの国なら、国の指導者をプーさんにたとえても特に問題はないかもしれないし、むしろ自分のイメージキャラクターがプーさんだというのは親しみやすくて良いことだと歓迎する国家首脳もいるかもしれない
しかし中国はそういう国ではないのだ。

この国における国家主席とは、灰色の存在だ。

ばかげた真似はしない妙な癖もない間違いは犯さない。

だからこそ国民の上に立つのだし、だからこそ国民はその行動を問いただすことができないのだ。
胡錦濤前主席は、「調和のとれた社会」の推進をキャッチフレーズにしていた。
中国語で「和・( hexie 、和諧)」だ。

これを受けてソーシャルメディアのユーザーは、検閲されることを「調和された」と表現するようになりった(被和諧了)
しかも中国語では発音の声を変えたり、違う漢字を使えば、意味をぼやかすことができる。

なので、発音が同じ「hexie」の「河蟹」を「和諧」代わりに符丁として使うこともある。

要するに、中国のインターネット上で河蟹、つまりサワガニの画像を見たら、それはおそらく何かが検閲されたという意味なのだ。

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