美東洋『刑事訴訟法』有斐閣(2009年4月・全訂第2版)…著者は2014年に逝去。
反実務説・反多数説を求めるならば、渥美説は避けて通れない。憲法を基礎にした体系
を構築。独自の体系と用語法、そしてその拙劣な日本語により、司法試験の基本書には
まったく向かない。したがって、読むならば司法試験合格後ということになろうが、
上記のとおり反実務・反通説を貫く本書を修習中に読破することの意義もまた見出し
難い。もっとも、渥美説そのものはなかなか面白いので、純然たる趣味と割り切って
その晦渋な文章と付き合うならば、良き思い出ともなろう。序章+全10章。A5判、688頁。