平成18年
〔第25問〕表見代理についての民法の規定に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤って
いるものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか 。

ア. 代理権消滅後の表見代理の規定は,法定代理に適用することはできない。

旧法下(×)大判昭2年12月24日 
未成年者の親権者が、未成年者が20歳に達した後に代理行為をした事案において、相手方が気づかなかったこと
をやむを得ないとして112条の適用を認めた。

改正法下
辰巳(×)同上
LEC(×)同上

佐久間[第5版]297頁(〇)
112条は、「他人に代理権を与えた者」の責任を定める規定。したがって、法定代理人であった者がその代理権
消滅後にした無権代理行為について、112条が適用されることはない。(改正前112条については、判例〔大判
昭2.12.24〕があり、これを支持する学説も多かったが、この立場は112条の文言変更により否定された)。