ここまで見事にめちゃくちゃな起案例を揃えられるのはある意味すごい。
著者がなぜ司法試験の過去問の解説本を出そうと思ったのかは謎ですが、
一旦予備校の論文講座等を受講してから執筆したほうがよかったのではないか。

具体的にどこがヘンテコなのかというのは、挙げればきりがない。
例えば平成28年度の起案例では、一体どんな基準で審査しているのかが不明瞭。
必要不可欠の手段でないから違憲と言う前に、
まずなんで必要不可欠じゃないといけないのか(どうしてその審査基準が導かれるのか)をきちんと説明しろというのは、
採点実感でも散々言われているはず。
原告に至っては、理由もなくいかなる理由によっても正当化できないとか言い始めて、もう駄々をこねているだけである。
平成26年の起案例も、薬局距離制限の判決を読んだことないのかな?という感じ。
しかもいきなり酸性雨の仕組みを硫黄酸化物がどうのこうのと9行に渡って説明し始めて、
意味がわからなすぎて爆笑する。

と、こんな感じで終始意味がわからない起案例が続くのである。
受験生の答案は、採点実感によって、このような記述は有害であるみたいにボコボコにされるが、
この本の記述も一見してきわめて明白に有害である。
受験生は、何があっても読まないほうがいいでしょう。時間が勿体無いですよ。