◎西田「刑法各論(6版)」
隅々まで考え抜かれた名著。1)この本に引用されていない判例は司法試験・同予備試験には出ないといわれている。
確かに試験はこの本で必要十分。2)検察関係裁判所関係の実務家が皆もっている。検察修習などで、検察官から「西田でいいよ」
という話を何度も聞いた。霞が関でも立案担当者の本棚に横にしておいてあったりする。
6)判例刑法各論(山口佐伯との共著・有斐閣・現在第6版)と一緒に読む必要あり。

×井田「刑法各論(2版)」 新論点講義シリーズ
並列処理の限界。弘文堂のやりての編集長が次々に打ち出すLECと伊藤塾つぶし。その企画ものです。Cブックを簡略にしたもの
といえます。ワンランク上のものがどうしても必要になり、けっきょくまた別の本を読まねばならない。こんな内容の希薄な本を、
何度も繰り返し読めますか?ばかばかしい。時間の無駄じゃあないかと思います。

×井田「入門刑法学・各論」
欠点1 西田・山口・判例百選にある判例しかない。つまり独自に勉強していない。著者が省エネしてたいした勉強をしていない本。
欠点2 各論の構成要件の解釈に手続法からの解釈の視点がまったくない。ご本人は書いたつもりでしょうけども、できがどうもね。
    刑事裁判上での実体法的論点が組み込まれておらず、ワンランク低い本でしかないできです。
★以上のマイナス面を自覚しているから「入門」なのかも? しかしいつまでたっても「入門」ですかい?
欠点3 権威書のリライト(書き直し)が多い。おそらく横に西田・コンメなどを置いて論点を模倣しつつ、そのまま書いてある。
    著者の体系的思索がまったくない。振り回されているだけのマニュアル本です。

△井田他「刑法事例演習教材」
「事例研究 刑事法 (1) 刑法 (事例研究) 」のほうがよいのでは?
レベル的には学生向け。法務省でやっている検事副検事向けの研修よりも、レベル的には低いと思う。理屈だけで刑事法は動いて
いないので、机上の空論だけで済ます―空想による実務の想定がある―このタイプは、通過点。
非能率な勉強を好む人向け。学者センセイの「ない袖は振れない」という見本みたいな本です。