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大気汚染に関して、アメリカの環境保護庁はPM2.5などの安全限界値を年間平均1立方メートルあたり12マイクログラムまでと指定している。世界保健機関(WHO)のガイドラインでは、1立方メートルあたり10マイクログラムだ。

しかしニューヨークの一部の地域では、PM2.5の量がいずれの安全基準値を常に上回っていた。研究者たちは、これもニューヨーク州で新型コロナウイルスが大流行した原因なのではないかと考えている。

「もしマンハッタンが過去20年間で、平均粒子状物質レベルを1立方メートルあたり1マイクログラム減らせていたら、新型コロナウイルスによる死者数が現時点より248人少なかったはずだ」と研究者は語っている。ただし、上記の研究はいずれもまだ査読前だ。

なお、大気汚染レベルとウイルス性疾患による死者数の関連性が研究されるのは、今回がはじめてではない。

2003年の研究では、新型コロナウイルスと近い呼吸器系ウイルスであるSARSの患者は、汚染レベルの高い地域に住んでいた場合、致死率が84%だったことが明らかになっていた。