都市部や工業地帯の空気中からウイルスを検出─感染爆発の一因は大気汚染の可能性も
4/30(木) 19:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200430-00000006-courrier-int

大気汚染によってスモッグがかかっていた都市が一変し、澄み渡った青空が見えている──新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、図らずもそんな変化が各国で起きているようだ。
大気汚染が原因で、世界では毎年およそ420万人が命を落としていることを考えれば、これは喜ばしい変化だろう。

しかしその一方で、各国で新型コロナウイルスの感染爆発が起きたことの一因に、そもそも大気汚染が関係していたのではないかと考える研究者もいるという。

汚染された大気を新型コロナウイルスが漂う?

「今回の感染症を引き起こす新型コロナウイルス(Sars-CoV-2)が汚染された大気の粒子から検出された」

イタリアのボローニャ大学がそう発表したことを英「ガーディアン」が報じている。大気の汚染が特にひどい地域では、汚染の原因となる粒子に乗ってウイルスが拡散していた可能性も考えられるという。

この研究を主導したレオナルド・セッティらは、イタリア・ベルガモ州の都市部と工業地帯で汚染された大気のサンプルを採った。

新型コロナウイルスの被害をもっとも受けている同国北部は、ヨーロッパでも特に大気が汚染された地域のひとつだった。
同研究はまだ査読を受けていないため、懐疑的に見る研究者もいる。だが汚染された大気の粒子からウイルスが発見されたいま、イタリア北部で感染爆発した原因の説明がこれでつくのではないかとセッティらは考えている。

一方、アメリカでも大気汚染と新型コロナウイルスを関連付ける研究結果が出ていることを英「BBC」が報じた。

「微小粒子状物質であるPM2.5が、1立方メートルあたりでわずか1マイクログラム増えただけで、新型コロナウイルスによる死者が15%増える」──そんな分析結果をハーバード大学の研究者が発表したのだ。
そしてこのPM2.5が新型コロナウイルスを含み、感染拡大の一因となった可能性もあるという。