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マスクはどこへ?生産体制を主要メーカーに聞いた
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/040301160/
2020年4月3日

安倍晋三首相は1日、新型コロナウイルスの感染拡大防止策の1つとして再利用可能な布マスク2枚を各世帯に配布すると表明した。
アベノミクスをもじった「アベノマスク」なる造語がトレンド入りするなど話題を集めるが、世の中のマスク不足は一向に解消される気配がない。

菅義偉官房長官は3月27日の会見で「マスクの品薄解消には一定の時間を要する」と話した。
4月には前月比1億枚を上積みする月間7億枚を供給できるとの見方を示したが、街中のドラッグストアなどでは依然として欠品が続いている。
毎朝開店前にマスクを求めてドラッグストアの前に行列ができる光景も珍しくない。「卸に発注をかけても、ろくな量が入ってこない。
店舗からのオーダーにも応じられない」と中堅ドラッグストアの担当者は嘆く。

経済産業省は2月に、国内でマスクの生産設備を導入する企業に補助金を出す方針を示し、シャープなどが応じて話題となった。
それでも品薄が続くマスク。国内の主力メーカーに現状を聞いた。

各社とも増産はしているが...

話題の「アベノマスク」要請を受けて布製マスクを増産しているのが、医薬品メーカーの興和(名古屋・中区)だ。
ガーゼを15枚重ねた仕様のマスクで、3月には月産1500万枚、4月には同5000万枚規模の生産を目指すとしている。
同社は不織布マスクも国内外で生産しているが、こちらも品薄に対応すべく月産1200万枚規模の増産体制を敷いている。

マスクの全量を中国の深センで生産する白元アース(東京・台東)は3月、政府要請に応じて本州にあるマスクの在庫を新型コロナウイルスの感染が拡大した北海道に送った。
また「バス会社などの交通・運輸事業会社向けに優先的に供給した」(担当者)という。
国土交通省の要請では10万枚を各地のタクシーやハイヤー会社に振り分けるなど、優先順位をつけて供給している。

新規参入が話題となったシャープは3月31日にマスクの出荷を開始。
当初は日産約15万枚ながら、今後は約50万枚を目指すとするが、まだ出荷を開始したばかりで、当面は政府などに売り先を限定する見通しだ。