ヨヨは死の床についていた。ビュウがかたわらに付き添っていた。彼女の冷たい手を握ると、彼の頬を涙が静かにつたわるのだった。

 彼女の青白い唇が動いて、
「ビュウ」と彼女は言った。
「しゃべるんじゃない」と彼は素早くさえぎった。
 しかし、彼女は弱々しい声で重ねて言った。
「ビュウ、これだけは言わせて。謝らなければならないことがあるの」
「謝らなければならないことなんて、何もない。いいんだ。何もかもいいんだよ」と泣きながらビュウは言った。

「いいえ。私は安らかに死んでいきたい。ビュウ、ごめんなさい。私、あなたを裏切って」
 ビュウは彼女の手をさすった。
「ヨヨ、もう気にするんじゃない。僕は全部知ってたんだ。」彼はすすり泣いた。

「でなきゃ、お前に毒を持ったりするか?」