南斗六星拳の六人は強さゆえに頂点にいるサウザーを除けば、
強さ順ではなくて、その星に準じる才能で選ばれたのです。
だから、弱くても構わないんですよ。弱いからこそ、
レイは妹のアイリを救出するためだけに生きてきたし、
シュウも光を失ってまで未来の救世主たるケンを救ったのです。

シュウで重要なのは、サウザーはもちろん、ラオウでさえ半信半疑だった
ケンのポテンシャルを拳を交えることで見抜き(技量は大人のシュウのほうが
圧倒的に上だったにもかかわらず見抜いた)、視力を犠牲にして助けた。
ラオウはこれを見て初めてケンの特別な才能と成長を感づくわけです。
つまり、シュウの才能というのはその拳法の強さにあるのではなく、
ラオウでさえ見抜けなかったケンの傑出した才能をいち早く見抜いて将来の
伝承者への道筋を付けたこと、2度目の対戦ならサウザーの秘密を見抜いて勝てる
はずだから自分の死をケンの力に変える最期の役割をそのタイミングで全うしたことなのです。

シュウは南斗の中では最も優れた人物なのですよ。
ケンを見出し、ケンを救い、ケンに殉じた。
完璧なまでにその星に殉じた男なのです。