練習試合とはいえ、初めてスタメンを勝ち取った湘北との試合
初めてのスタメンで緊張しない奴はいない、だが植草は極めて冷静、極めて沈着にPGとして試合運びを行った
アリウープパスを決め、3Pシュートを撃ち(外しはしたが)、黒子役に留まらない怒涛の活躍

植草の実力は度胸のある安田に恐怖を抱かせるほどであった
最後の残り時間僅かな状況でも冷静に試合を進め、仙道へのパスで見事逆転勝利

それは植草の実力に繋がった
「俺はやれるんだ、やれる男なんだ」
始まった予選、植草の快進撃は更に続く
PGとして如何なくその力を発揮し、陵南に欠かせない選手として成長を続ける植草

そして訪れた王者・海南との試合、植草は海南の期待のスーパールーキー、清田をオフェンスディフェンス共に完膚無きまでに封殺する
清田は植草相手に「あっ!」という情けない声をあげ、「こいつらは本当に強いんだよ…」と畏怖の念すら抱かせる

植草はどんどん調子に乗った
「俺は強い、未来の神奈川No.1ガードは俺だ」
確信に近い思いを抱いていた

だが続く湘北戦、ついに植草の長く伸びた鼻がへし折られることになる
宮城は圧倒的に本物だった
清田が赤子に思えるほど、宮城は住む世界が違っていた
「真の強者」と初めてあたり、今まで自分は雑魚相手に調子乗っていただけのお山の大将であったと気付かされた

そして20年後…植草は街を代表する住職となっていた
人に勝ち負け、優劣などない、皆にそれぞれいいところがある、みんな違ってみんないい、悟りを開いたのだ
高校3年間のバスケット生活、その時のことを植草は「煩悩のかたまり」と呼んでいる
「人間の欲を具現化したおぞましきスポーツ」という意味らしい

植草は住職として年収1000万
古くからの友人である越野が宮城の年収が260万であることを教えたところ、植草はニヤリと勝ち誇った笑いを浮かべたという
聖者・植草の未来は明るい