この間久々に「かくれちゃったのだあれだ」を読み直して気づいた。
女の子のお葬式の日にベッドでごちそうを食べていた男の子の場面、昔は
両親が怖い思いをしたわが子を甘やかしてベッドから出さなかったと思っていた。
親になって分かった。両親は、彼を守ったんだ。
もし彼が女の子のお葬式に出ていたら、彼は村中の人々の目にさらされる。
ああ、あれがあの時一緒にいた子だよ、と、好奇と非難の目で。
母親はお葬式に来ない男の子のことを近所の人にこう言ったに違いない。
「ごめんなさい。あの子、昨夜のことでショックを受けて、寝込んでるの。」
多分ほかの家も似たり寄ったりだったろう。そう考えると、あの場に平服で、
一人で現れたDDが一層不憫でならない。