>ふと彼はあの橋の下でつかんだこんがり焼けて
>においをたてている赤ん坊の手を思い出した
>そしてなんのためらいもなく思った
> あれを捨てずに持ってればいま頃食えたのになあ......
> そのとき彼の心には良心だのモラルだのなんてはいりこむ余地がなかった
> ひたすらただ食いたい欲望だけであった