全ての始まりは、会社帰りに疲れきった体を引きずり立ち寄った殺風景なラーメン屋からだった。
普段漫画を読まない僕が、何となくその店に置いてある漫画雑誌を手に取り、
そこに「母子家庭のオリンピック券」の話が掲載されていたんだ。

「労働して汗をかいている母の顔」、「アパートの親さんに怒られた後の、子供に“シーッ”とやる母の顔」、
「貧しいながらも交わされる、母子の笑顔」、母子家庭で育った僕にとって
このストーリーや絵柄があまりにもリアル過ぎて、本当に堪らなくなり涙が溢れだした。
それがきっかけで全巻を買い揃えてしまったが、自分の場合は家庭環境による影響が多いけど、
この「母子家庭のオリンピック券」の話は僕にとって途轍もない名作。
たぶん、僕と同じような境遇の人なら誰もが琴線に触れるような気がします。