>>20
『何のために飛ぶのか見失った』からじゃないかな
思春期の少年少女ならではの『アイデンティティ崩壊の危機』
ってやつのたとえ。

ここで問題になるのはむしろ自転車にのった直後の、
【魔女(自分)について全く知らない
 トンボ(他者)に色々説明する(自らの存在の把握)】シーン。
魔女の力、とくに『飛ぶこと』はキキにとってかつて一度たりとも
疑問を持ったことがない力(当然だった自己の姿、アイデンティティ)。
しかしこのシーンで、トンボ(他者)にとってそれはとても特別なこと
であると意識させられる(自他の明確な差異)。
これをきっかけに『飛ぶこと(自分)とはなにか』について意識が向くと、
それまでのように何も考えずに飛んで(生きて)いることができなくなった。
最終的に飛べたのは、飛ぶ目的が明確に示されたから。

恋煩いじみたものが絡んでくること、自分の思う道を進む画家との出会いが
キキに大きな意味を持つことを考えても、思春期ゆえの現象と暗に示されて
いる気がする。
                         長文スマソ