(1)万有引力定数G、ディラック定数h、光速cの次元解析によってダークエネルギー密度の上限値は求めることができる。
(ディラック定数はhの上に横棒を突き刺して表現するのが普通だが、ここではその表記はできないので、プランク定数と同じhを使う。)
G=6.67×10^-11[kg^-1・m^3・s^-2]、h=1.06×10^-34[kg^1・m^2・s^-1]、c=3.00×10^8[m^1・s^-1]として、ダークエネルギー密度の上限値を求めよ。
ただし、E=mc^2を考慮すれば、エネルギー密度の単位は単に密度の単位としてもよいので、[kg^1・m^-3]で求めよ。

(2) フリードマン方程式は、(b/a)^2=8πGρ/3−(Kc^2)/a^2+(Λc^2)/3で与えられる。
ただし、aはスケール因子、bはその時間微分(b=da/dt)、ρは通常物質とダークマターの合計密度で、Kはスカラー曲率、Λは宇宙定数である。
宇宙定数は重力と反対の性質を持つ斥力として働き、それはダークエネルギーによるものだと解釈されている。
ハッブル定数Hは、H=74.3km/s・Mpcとする、ただし、Mは10^6で、pc(パーセク)とly(光年)の関係は、1 pc=3.26lyとする。
また、スカラー曲率Kは0であると見なせ、宇宙の全物質に対するダークエネルギーの割合は68.5%と観測の結果から与えられているとする。
以上から、[kg ・m^-3]の単位で、ダークエネルギー密度の測定値を求めよ。

(3) (1)、(2)の結果から、ダークエネルギー密度の測定値に対する最大値の比の値を求めよ。
また、ダークエネルギー密度の最小値は、(1)の答にマイナスを付けたものであることを考慮すれば、強い人間原理を肯定することを説明せよ。
ただし、超弦理論によれば物理定数が異なる宇宙だけでも最低でも10の500乗の宇宙があるということになっている。そのことを考慮したときには、強い人間原理は法定されるか?それとも否定されるか?