「……赤音ちゃんの、やっぱおっきい…」
…美談になるほど真面目だった小泉の思考は、終里の肢体を眺めると中断された。
褐色の、豊満な体付き。同性愛の気はない(はずだ)が、それでも見惚れるほど。

小泉自身のスタイルも、決して悪くない。むしろ半端に豊かであるよりは美しい体付きだ。
が、それでもクラスメイトの少女の見事な身体を、羨望の眼差しで見てしまうのは女の本能だった。

(…男ってやっぱこういう体付きが好きなのかな…)
軽い不快感を覚えながら日向の事を脳内に描く小泉。



(……? や、やだ、なんで日向の事考えてんの私)
考えてみれば、自然な事である。
故人の十神や弐大は色の事は二の次という印象があったし、田中や狛枝も同様だ。
左右田はソニア・九頭龍は処刑されたペコに今も執心してるし、同じく処刑された花村は
エロキャラであったが、その守備範囲は同性相手にも向けられていた。

対して日向は、小泉真昼を性的な目、本能に駆られた欲望のまま見た事がある。

―詳細は男のマロンで察すべし―

意識するのは、無理からぬ事。
だが、小泉自身気付かない『軽い熱』が、その考察を彼女にさせなかった。



個性派揃いのクラスメイトの中では、裁判以外地味な印象。